昔ながらのかまど炊きと手絞りで大事に豆腐をつくっています。

2017.09.22

母 三浦綾子 角川文庫

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久々の小説、読み終えました。あぁ、胸が張り裂けそうです。
 
この小説は、「小林多喜二」の母セキに、三浦綾子がなりきって、思い出話を語っています。「小林多喜二」は、『蟹工船』という小説で有名になりましたが、昭和初期の政府の言論弾圧によって殺された小説家です。(恥ずかしながら名前を暗記しただけだった)
 
家族思いで心根の優しい多喜二が、なぜ殺されなければならなかったか。それは、貧乏のどん底に暮らす人を救いたかったから。人が人らしく生きる社会を望んだから。でも、それはこの時代の政府に歯向かうことだった。
 
多喜二の母セキの言葉が頭から離れない。
 
「わだしは、この世の理屈はわかんない。多喜二がどんなことを考えていたか、よくわかんない。けど、死ぬまで家族の生活費のことば心配してくれた多喜二が、身売りの少女を財産はたいて救ってやった多喜二が、あんなにむごたらしい死に方をしなければなからないほど悪党だとは、どうしても思えない。」と母セキは語る。
 
そう、理屈ではない。人はみな、母の腹から産まれてくる。だから、母は、人を殺してはいけないと本能的にわかっている。
 
どうかこの時代に逆戻りしないよう、母の声を聞いてくれ、と願うばかり。母はいつの時代も、平和を望んでいます。

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